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7回那須フロンティアフォーラム 障害の枠を超えて

「家族が抱える問題がつくり出す子どものトラウマ」

〜トラウマが私たちの人生にどのような影響を与えるか〜

 平成19225日(日)、黒磯文化会館にて講演会を開催いたしました。7回目を迎える今回は、「子育て」をテーマにサンフランシスコ州立大学名誉教授、POMR Inner Core代表取締役の田中万里子先生に講演をいただきました。後半は、田中先生と袋田病院院長で当法人の副理事である的場政との意見交換を行いました。


1.講演

 約40年間の臨床の体験を通じて、家族がつくり出す子どものトラウマについて、よりよい子育てとはどんなものなのかについて講演をいただきました。

 トラウマを広義で捉えると、その時点の自分にとって衝撃的な全ての出来事にあたります。子どもは少ない経験で出来事を判断するので大人にとっては日常の些細なことでも衝撃を大きく受けトラウマを形成することがあります。例えば、「どうしてこんなことも出来ないの、馬鹿ね」という親の何気ない言葉でも子どもにとっては衝撃的な体験になり、その後の行動を潜在的に規制して子どもが自分らしく生きることを阻みます。家族の問題は無意識に世代伝達され子どものトラウマは伝達されてしまいますが、意識的な子育てをすることでトラウマの形成は防ぐことができます。そして、まずは自分自身を癒すことが問題解決に繋がるというお話をいただきました。


2.意見交換

(会場専門職より)
Q.傷ついた子をどう支援していけばよいのでしょうか?

A. 辛いものを辛いとしてあげると相手はほっとします。辛いものをつらくしないことが問題を大きくさせるでしょう。気持ちを汲むとこころが開かれ、支えになります。何かあったときに子どもが話せる環境を整える意味でもこころの戸を開けておくことは大事なことです。

(的場先生より)
Q.もう傷つきたくないと失敗を恐れてひきこもる子どもについてどう思われますか?

A. 失敗はいけないものとして、失敗をしないようにと接することや失敗したことを罵倒することは子どもにとってマイナスのエネルギーになってきます。アメリカの環境においては、「ナイストライ!」という言葉をよく遣います。子どもが試したこと自体を褒めることや失敗してもそこからどんなことを学べるかを一緒に考えていくことで、子どもは失敗を恐れずプラスのエネルギーに変えていけるようになると思います。

参加者の声

 講演を通じて”気づいた人“になった今、こどもや同僚、家族に接するとき、いつか子育てするとき、気づかないうちにトラウマを与えないよう意識した日常を送ろうと改めて思いました。
20代女性)

 私は二児の子育てをする専業主婦です。子どもに対してちょっとした答え方、話し方に気をつけるようになりました。毎回は出来ませんが「ナイストライ!!」という言葉かけを実際に生活の中で使うことを意識するようになりました。今回のお話しを聞いて自分の受けた子育てが次の世代に引き継がれると言うことを改めて気づかされる時間でもありました。
(30代女性)


まとめ

 当日は383名もの方が参加して下さり、その多くは親御さんや子育て支援に関る方々でした。会場で熱心にメモを取る方の姿、意見交換の際質問用紙にぎっしり書かれてあった方の姿を目の当たりにして皆さんの子どもとのコミュニケーションのあり方への関心が高いことを直接感じました。参加者の多さと関心の高さに講演会を開催できた意義の大きさを実感できたと同時に、今後の活動に繋げて行きたいと思いました。

 講演会の趣旨に賛同してくださり後援、協賛にご協力いただいた方々に深く感謝いたします。今後も地域の皆さんと協力しながら身近なメンタル・ヘルスのテーマにて、ともに考えていける講演会を開催していきたいと思います。



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