第4回那須フロンティアフォーラム 障害の枠を超えて

第4回那須フロンティアフォーラム 障害の枠を超えて

「女性をいきる〜ふと立ち止まり、思うこと〜」

平成15年11月9日(日)、黒磯市文化会館にてフォーラムを開催いたしました。今年で4回目となるフォーラムには、女性2名をゲストにお迎えし、「女性をいきる」をテーマに講演・対談が行われました。

講演Ⅰ 松本侑子さん(作家)

『赤毛のアン』の作者モンゴメリの生涯~作家・母・牧師の妻として~と題して、作家の松本侑子さんに講演をしていただきました。私たちが慣れ親しんでいる『赤毛のアン』には、実はまだ知らないことが多く含まれており、それを松本さんが翻訳している中で、主人公のアンと作者のモンゴメリの生涯にダブっているところとギャップのふたつがあることに気付いたそうです。アンが女性として、妻として生きている中には、モンゴメリ自身の女性として、妻としての叶わなかった夢が込められているものだったのです。
 作家として、モンゴメリは大変著名な方でしたが、実際には恵まれた愛情をなかなか受けられずに育ち、結婚直後に結婚したことを後悔し、子育てにも悩み、作家をしながら牧師婦人という仕事も行うなど、悩み多き人生でした。
 しかし、『赤毛のアン』のアンは夢を見る気持ち、そして周りの人たちと愛情を育む気持ち、このふたつを忘れないで幸福に生きています。
 モンゴメリは、アンを書き自分のこころの大きな慰めとすると同時に、私たちに幸福な女性の生涯モデルを残してくださったというお話をしていただきました。

講演Ⅱ 池下育子さん(産婦人科医)

『女性のこころとからだ』と題して、産婦人科医の池下育子さんに講演をしていただきました。池下さんは一人の産婦人科医として、女性の一生に関われるような、女性たちのかかりつけ医になれないだろうかと思い、婦人科ではなく“女性科”を意識され、レディースクリニックを開業されたそうです。
 また、人間は男性、女性、そして妊婦という性があるとお話してくださいました。中でも女性は、初潮を迎えてから閉経まで、女性と妊婦という両方の性を併せ持っていて、その狭間で自分をコントロールできなくなることがあります。それが、マタニティブルーやPMS(月経前緊張症)と呼ばれるものです。
 それには、自律神経やホルモンのバランスが関連しており、それらの状況を具体的にご説明いただきました。また、それらを周囲の方に理解されることで女性が生きやすくなり、女性も生涯自分が健康であること、こころが健康であること、仕事でも異性でも趣味でも心ときめく毎日であることが大切であるとお話していただきました。

フォーラム終了後の声

フォーラム終了後、ご参加くださった方々にインタビューをさせていただきました。

自分も子育てが終わった時期で、年齢的にも普段考えていることと共感できる部分が多くありましたね。今回の話を聞いて、明日からまた新たな気持ちで生活していけそうです。
(40代 女性)

40代に入り、女性としての価値がなくなってしまったように感じていましたが、今日のお二人の姿を拝見し、生き生きとした女性らしさに、自分の心がけ次第で変われるのだと刺激されました。
(40代 女性)

話が難しすぎて、よく分からなかったです。
(30代 女性)

1人だけの講演では一方通行ですが、対談はみんなで参加していると感じることができました。
(40代 女性)

今回のフォーラムには128名の方にご参加いただきました。テーマが女性のメンタルヘルスに関する内容だったので、女性の参加者が多く見受けられました。アンケートも、たくさんの方にご回答いただき、皆さんの生の声を聞かせていただきました。皆様からのご意見・ご感想等は、今後のフォーラムの参考にさせていただきます。今後ともよろしくお願い申しあげます。